旧規則機撤去状況と新台販売状況(2021年12月末時点)

統計・コラム

どうも「BOSS」です。
ここでは、2021年の旧規則機撤去状況の続報新台販売状況の集計データを引用しながら相互関係とパチンコ業界現状と今後の課題を考察していきたいと思います。

旧規則機、残り約68万台

前回、【パチンコホール店舗数と旧規則機撤去状況(2021年11月現在)】の記事の中で10月末時点での旧規則機は100万台弱(パチンコ42.3万台、パチスロ57.0万台=合計99.3万台)と報告しました。
翌月の11月末時点には88.0台(パチンコ36.0万台、パチスロ52.0万台)と推移していました。

さらに最新の報告として12月末時点での「新規則機『設置比率』の進捗計画」及び「県別 新規則機 設置比率(都道府県順)」を全日遊連が1月6日、各都府県方面遊協宛てに通知しました。

資料によると、全国ホールにおける12月末時点の新則機の設置比率は、パチンコが前月比3.3ポイント増加の88.1%(208.4万台)パチスロが前月比7.8ポイント増加の73.7%(112.3万台)、パチンコ・パチスロ合算で前月比5.1ポイント増加の82.4%(320.7万台)となり、合算における同月末の目標値は95.0%で依然、目標値から大きく乖離した状況が続く結果となりました。

これで全国ホールに残存する旧規則機は12月末時点で68.3台(パチンコ28.2万台、パチスロ40.1万台)となっています。

県別で見ると新規則機の設置比率が最も高いのは、パチンコが富山県の92.5%パチスロが群馬県の79.9%合算が群馬県および福井県の87.1%で一方、新規則機の設置比率が最も低い地域は、パチンコが大阪府の84.4%パチスロおよび合算が沖縄県(パチスロ39.7%、合算60.8%)となっています。

予てより危惧されていましたが、2022年の1月末に撤去期限を迎える旧規則機の残存台数が遊技機リサイクル業者の処理能力を上回る見通しとなってしまい、撤去した旧規則機を一定の期間、ホールで保管せざるを得ない状況も想定されています

2021年の新台販売状況

※集計データは【パチンコ・パチスロ情報サイト/パチンコビレッジ】より引用
※中古機価格は【中古機価格.com】の1月19日の価格を参考

2021年の新台販売台数は175.2万台(パチンコ110.5万台、パチスロ64.7万台)でパチンコは昨年比116%、パチスロ161%、総台数129%となりました。これはホールの経営状況が改善してきた兆しとは考えにくく、2021年は旧規則機撤去の期限が新台の導入に作用し、台数増加となったと考えられます。

遊技機メーカー別のランキングを見ると、パチンコでは「三洋物産グループ/361500台」パチスロでは「北電子/188000台」がトップとなりました。機種別ではパチンコが三洋物産グループの「海物語シリーズ」が上位3位まで占めており、パチスロも同様に北電子の「ジャグラーシリーズ」が上位3位を占めています。

その他の機種に注目してみると「新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~/ビスティ」(41000台)、「Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン/SANKYO」(31500台)の評価が高く、中古市場ではいずれも130万円超となっています。同様にパチスロでは「チバリヨ-30/ネット」(15500台)が中古市場で130万円超となっており、導入当初の評価が低かった「S沖ドキ!DUO-30/アクロス」(14500台)が年明けに評価が高まり25Φとともに100万円前後となっています。

メーカー別販売台数8位の「平和」は1月14日、「希望退職制度の実施」「営業所・出張所の統廃合」「役員報酬の減額」「特別損失の計上」を公表したというニュースが報じられました。

希望退職の募集人数は遊技機事業の従業員の約3割にあたる250名となっています。営業拠点25から20に減らし、経営責任の明確化として、嶺井勝也社長の月額基本報酬を30%カットするなど、役員報酬を6カ月間減額する内容となっています。

パチンコやパチスロの市場規模の縮小に加えて世界的な半導体不足もあって製造に大きな影響がおよび、22年3月期は昨年5月時点で、パチンコ機10万8千台パチスロ機5万2千台の販売の予想から、それぞれ6万3千台、2万9千台まで下がる見込みとなってしまっています。

一昨年からも他のメーカーが同様に以下のような発表をしています。

  • 2020/11/16 サミー希望退職者650人募集 → 729人が応募
  • 2020/12/1 山佐 遊技機事業を子会社に再編
  • 2021/3/8  豊丸 希望退職者60人募集

今後も状況が好転に向かわなければ他のメーカーでも同様なケースも出てくる可能性もあり、今年リリース予定の「スマートパチンコ」、「スマートパチスロ」にも影響があるかもしれません。

旧規則機台数と新台販売台数

2020年1月末時点の旧規則機の設置台数は176.4万台(パチンコ78.7万台、パチスロ97.7万台)でした。

これに対して2021年の新台販売台数は175.2万台(パチンコ110.5万台、パチスロ64.7万台)となっています。この結果、単純計算はパチスロの新規則機の販売台数では旧規則機の設置台数に対して33万台が不足しており、12月末時点で40.1万台の旧規則機が残存している結果となりました。

一方、パチンコの旧規則機78.7万台に対してプラス31.8万台の110.5万台の新台販売実績となっていますが、実際には28.2万台の旧規則機が残存しています。

パチスロは保通協の型式試験に適合する型式は月平均22型式(パチンコ26型式)と増えていますが、実際に都道府県公安委員会の検定には1/3の月平均8機種(パチンコ16機種)しか通過させておらず、さらに販売される機種はこれより少なくなり機種数・台数が実際に不足しています。

さらに販売される6号機の性能が5号機に比べて半減している中、評価の高い人気機種は購入ハードルが高く遊技機メーカーもターゲットが大手系列店に偏り中小規模のホールとの格差が拡がってしまっています。

パチンコにおいてもこの格差は同様でパチンコの旧規則機の多くは低貸しで設置されており、低貸し比率は平均47%となっており中小規模のホールは低貸しに頼るところも多く、新台との入替がされることは極端に少なくなります。
1月はいよいよ旧規則機の撤去期限となりますので、対応に苦慮するホールも多くベニヤ貼りでの応急処置や閉店にまで及ぶところも増えてくると予想されます。

以上が旧規則機と新台の状況となりますが今後も進捗状況に注視して、できる限り最新のニュースを盛り込みながら都度このサイト内でレポートしていきます。

「BOSS」からのメッセージ

オミクロン株による新型コロナウイルスの感染の爆発的な拡がりにより、この業界全体においても不安定な状況が続くと思われます。

中小規模のホールに限らず大手系列ホールにおいても設備投資が基幹店舗以外では抑制される傾向にあります。設備メンテナンスにおいても同様に買換え需要が少なくなり修理対応が増え、その修理費用も節減されるところが多くなっています。

弊社では保守サポートが終了しメーカーで対応できない設備機器においても修理対応可能な場合がありますのでお気軽にご相談ください。

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