5月30日、パチンコメーカーである株式会社高尾(代表 内ケ島隆寛 氏)は、文書『債権者の皆様へ』を公開しました。当文書の中で同社の民事再生手続き開始及び同じく遊技機メーカーである「株式会社オーイズミ」による支援表明も発表されています。
内容は以下の通りです。
債権者の皆様へ
株式会社高尾
代表取締役社長 内ヶ島隆寛
拝啓 日頃から弊社とお取引をお願いしております関係者の皆様には、ひとかたならぬご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社は、初代内ヶ島正一が昭和25年に創業した「高尾製作所」の時代から、パチンコ遊技機の製造メーカーとして、これまでパチンコホール及びユーザーの皆様にご満足を頂けるパチンコ遊技機を企画・開発製造し、販売をして参りました。
しかしながら、平成30年に発生した弊社販売製品の問題以降、弊社売上は急激に減少するとともに損益が悪化し、令和元年12月期には多額の営業損失を計上するに至りました。
弊社は、業績の回復を図るべく、新たなパチンコ遊技機の企画・開発に取り組んで参りましたところ、令和2年以降において、新型コロナウイルス感染症がパチンコ遊技機業界全体に大きな影響を与え、多くのパチンコホール様が設備投資を控え、もしくは廃業をされたことにより、弊社の売上はさらに減少することとなり、弊社の資金繰りは極めて厳しい状況が続いて参りました。
その後も、弊社は、厳しい資金繰りの中で、債権者の皆様に支払いを繰り延べていただくなどのご協力を賜りながら、なんとか本日まで自力再建を目標に邁進してまいりました。
しかしながら、足元の業績も好転するまでに至っておらず、このような現状の下では、抜本的な対応が必要であると考え、専門家の方にもご相談し、対応策を協議してまいりましたところ、このまま事業を継続すれば、却って関係者の皆様方にご迷惑をおかけすることになることは必至であり、この事態を回避するためには、法的な再建手続である民事再生手続開始の申立てを行うほか途はないと判断するに至り、本日、東京地方裁判所に対して民事再生手続開始の申立てを行い、同日付で同裁判所より、保全処分命令の発令を受けた次第です。
弊社は、これまで皆様のご支援・ご協力、そしてお取引をお願いしている関係者の皆様のお引立とご協力をもとに経営を行ってまいりましたが、このような事態となりましたこと、誠に申し訳なく、衷心より深くお詫び申し上げます。
民事再生手続は、破産手続とは異なり、弊社事業の維持存続を前提として、弊社を再建する手続です。今後は、東京地方裁判所及び同裁判所が選任した監督委員のご監督の下、一日も早く弊社を再建できますよう、従業員一同全力を傾注し、皆様のご迷惑を最小限に食い止めるために努力してまいる所存でございます。
また、事業継続にあたり、株式会社オーイズミ様より、民事再生手続下での弊社支援の表明を頂戴し、早速、弊社支援策の具体的検討を開始していただいております。
皆様には、何度お詫び申し上げても十分ということはございませんが、何卒皆様におかれましても弊社の事情をご賢察の上、ご理解とご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
敬具
負債は債権者約300名に対して約70億円が見込まれるようです。
ピークの2002年12月期には年売上高約240億8300万円を計上していました。2018年のCRカイジ4騒動で同製品の下取りなどを余儀なくされたほか、同年10月には当時の代表の事件以降業績が悪化、近時は新型コロナウイルスの感染拡大により受注は伸び悩み傾向が続き、2021年12月期の年売上高は約47億9100万円に落ち込み、3期連続で欠損計上を余儀なくされていたとのことです。その後も受注に回復は見られず、資金繰りはひっ迫し、先行きの見通し難から自力での再建を断念、今回の措置となりました。
オーイズミさんが支援を表明しており、シンボルの不死鳥のごとく蘇ってほしいと思います。
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