貨幣改鋳(かへいかいちゅう)とは?
~新500円硬貨/識別の変遷~ 

新500円硬貨改鋳
2021年12月19日更新
グローリー製「新500円硬貨対応セレクター」(E-450/E-450G)受注状況。

・入荷時期未定
・E-450は12月27日まででメーカー注文終了収束➡数量限定で注文受付中
・券売機用コインメック・アクセプタは 受注注文受付中

どうも「BOSS」です。

4月27日 新500円硬貨 11月めどに発行へ 政府 で報じられた貨幣改鋳かへいかいちゅう」となる
「新500円硬貨」11月発行の経緯や識別の変遷について少し説明いたします。

(財務省提供画像)

「貨幣改鋳(かへいかいちゅう)」とは

 現在流通している硬貨を新しくすることを「貨幣改鋳(かへいかいちゅう)」といいます。 

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用
貨幣改鋳(かへいかいちゅう、money recasting )とは、市場(しじょう)に流通している貨幣を回収してそれらを鋳潰し、金や銀の含有率や形を改訂した新たな貨幣を鋳造し、それらを改めて市場に流通させることである。経済政策の1つとして行われることもある。

・改鋳の目的
歴史的には改鋳によって従前より貨幣量を増やし、増えた分を益金(シニョリッジ)として得ることを目的として行われるものが多かった。
(中略)
通貨としての流通を目的とした金貨や銀貨が世界的に見られなくなった現代社会において、硬貨の材質に関係なく偽造防止やデザイン変更などのため形式を改訂した新たな硬貨を製造し流通させることを改鋳と呼ぶことがあるが(例えば2021年の五百円硬貨の改鋳など)、実物貨幣としての金貨や銀貨の改鋳とは意味合いが異なる。

この説明のように現在の改鋳は金融政策ではなく、前回の「500円硬貨」と同様に今回の「新500円
硬貨」発行は新しい「偽造防止技術」の導入による不正対策が大きな目的となります。

「新500円硬貨」発行の経緯

 (初代500円白銅硬貨)
  「500円硬貨」は1982年4月にこれまでの「500円紙幣」に替わり、日本では最高額の硬貨と
  して登場しました。当時「100円硬貨」の流通量が硬貨全体の60%超となり、自動販売機が
  急速に普及したことが背景にあります。

  しかし同時期に韓国で発行された「500ウォン硬貨」(当時日本円で約170円)がこの初代
  「500円硬貨」よりやや重いだけで大きさ・材質がまったく同じであることから比較的軽微
  な変造で500円硬貨の偽造ができてしまいました。この偽造硬貨によって遊技場の玉貸機
  での不正使用や自動販売機などでは返却レバーや釣銭での差額利益を得るなどの被害が続出
  しました。

  当時、遊技場やゲームセンターでの被害が多く識別機能(コインセレクター)の改良・交換
  が多数行われました。

 

 (2代目500円ニッケル黄銅硬貨)
  次にこれらの変造偽造を防止するため2000年に現行のニッケル黄銅製の「500円硬貨」が発行
  されました。初代500円硬貨発行後1988年4月に施行された「通貨の単位及び貨幣の発行等に
  関する法律」による「貨幣」として発行された初の通常硬貨でした。

  2代目からは複数の素材で組成することにより新しい偽造防止対策として電気伝導率の変化に
  よる偽造硬貨の検出を容易にしました。しかし2003年以降も一部の地域で偽造硬貨の報告が
  続き、2020年末にも大量の偽造500円硬貨の報告があり「新500円硬貨」発行を前に駆け込み
  的に使用されるかもしれないとの見方もあります。(↓リンク記事参照ください。)

   偽造五百円硬貨相次ぎ見つかる新硬貨発行前の駆け込みか

 (3代目「新500円硬貨」)
  3代目「新500円硬貨」の発行は当初2021年上期に予定されていましたがコロナ禍の影響に
  よりメーカー企業による自動販売機や駅の券売機、金融機関などのATM等の各種機器を
  新硬貨に対応させる改修作業などに遅れが出ているため延期されていました。

  そしてようやく財務省から発表された上の写真のように新しいデザインと素材を変更した
  「新500円硬貨」が2021年11月に発行される予定となりました。

  財務省の発表では、上の写真のように外の縁に「ニッケル黄銅」を使用し中心部は「白銅で銅
  を挟んだ三重構造」となっています。さらに縁の周囲には「異形斜めギザ」が流通用硬貨とし
  ては世界で初めて採用されています。表面には微細文字加工がされており、組成構造とともに
  偽造対策の役目も担っています。

  このように「新500円硬貨」は2代目500円硬貨と同様に複数の素材で組成され、さらに2色3層
  構造(外縁:ニッケル黄銅/中心:白銅で銅を挟んだ3層)で形成することで電気伝導率の変化
  による偽造硬貨の検出技術がさらに高められていることも合わせて発表されています。

硬貨識別の今後

 初代での「重さ・外径・厚み」による識別から二代目では電気伝導率の変化による偽造検出技術
 が導入され、次の三代目「新500円硬貨」もこの技術をさらに高度に発展させています。

 現行設置利用されている500円硬貨を使用する機器のコインセレクターでは「新500円硬貨」の
 識別は不可能です。機器の買い替えでの新規製品でない限り、コインセレクターの交換・改造は
 絶対不可欠なものとなります。

 しかし、2000年当時と比べて世界的に急速なキャッシュレス化が進み「決済方法の多様化」
 (クレジットカード・デビットカード・電子マネー・QR/バーコード決済など)によって両替機
 などの製造メーカーはさらなるコロナ禍が重なり、製造中止や廃業・倒産に追い込まれ現在は
 一部の限定されたメーカーが製造するのみとなってしまいました。

 この影響で使用機器と同等品を新規交換することも不可能なケースが多分で、たとえ新規製品が
 あっても高額なためコロナ禍での事業者負担は厳しく困難です。
 同様に使用機器のメンテナンス保守の受け入れ先が無くなり使用機器メーカーが存続していても
 保守終息しているケースが非常に多くなっています。

 このような状況を少しでも補えるように弊社では、いち早く新しい「識別データ」を入手し
 「新500円硬貨」対応「新コインセレクター」を準備、ご用意してご相談を承っております。

「お問い合わせフォーム」からメールまたはコールセンターまでお電話ください。
お客様の地域や諸条件に合わせた最適な保守点検プランをご提案、ご案内をさせていただきます。

    コメント

    1. […] ホームページ記事「貨幣改鋳(かへいかいちゅう)とは?」について […]

    2. […] 新紙幣は2024年から発行される予定で5千円札、1千円札も同時に刷新され2024年11月から流通する予定です。新紙幣については2019年4月9日に財務省から「新500円硬貨」の発行と合わせて発表されており、「新500円硬貨」は今年の11月に発行される予定です。※「新500円硬貨」に関しては「貨幣改鋳とは」、「新500円硬貨 製造開始」で説明させていただいています。 […]

    3. […] 現在の貨幣改鋳は偽造防止のために実施 […]

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