パチンコホール店舗数と旧規則機撤去状況(2021年11月現在)

統計・コラム

どうも「BOSS」です。

新型コロナウイルス感染状況は今のところ落ち着きを見せていますが海外での感染再拡大などもあり、まだまだ安心できない状況です。パチンコ業界にとってもコロナ禍以外にも課題が山積しています。

ここでは、2021年11月時点においてのパチンコホール店舗数遊技機設置状況旧規則機の撤去状況を業界サイトのデータや資料を引用して、まとめたものを報告しながら目前に差し迫るパチンコホールでの課題を確認していきたいと思います。

※集計データ表は日遊協「遊技業界データブック2021」より引用

パチンコホール店舗数と遊技機台数の推移(2016年~2020年)

2021年10月末時点での全日遊連による「組合員加盟店舗の実態調査」によると、全日遊連加盟パチンコホールの営業店舗数は7,718店舗(前年同月比620店舗減)となり、2021年1月時点より513店舗減少しています。これは全日遊連加盟パチンコホールの営業店舗数ですが、遊技産業健全化推進機構での登録店舗数は8,596店舗となっています。

遊技機の設置台数は、パチンコが2,133,652台(前年同月比112,211台減)で1月比98,108台減、パチスロは1,376,621台となり1月比74,160台減、パチンコとパチスロを合わせた総設置台数は3,510,310台、1月比172,268台減となっています。

この店舗減少傾向はコロナ禍の影響も無論あると思われますが、過去5年間の推移をみても営業店舗数は毎年約400~600店舗が減少し続けており、遊技機設置台数も比例して減少し、2020年は前年比約19万台減となっています。この減少傾向はいつから始まったのでしょうか。

パチンコホール店舗数と参加人口の推移(1994年~2020年)

1994年に射幸性が上がりすぎた遊技機が社会問題化し遊技機規則の改正が行われ、それに伴う1996年の社会的不適合機の撤去を契機にして、パチンコ参加人口は2760万人から翌1997年には450万人減の2310万人にまで急激な落ち込みとなっています。
それ以降は2003年のパチスロの爆裂機(4.1号AT機)の検定取り消しやギャンブル依存症などを背景に2度の遊技機規則改正やメーカー団体の内規変更を経て来年1月の旧規則機の撤去が行われることになりました。
特に昨年からのパチスロ5号機から6号機への移行でホールの収益性も悪くなりコロナ不況との負の相乗効果でホール経営企業が淘汰される結果となりました。根本的にはコロナ禍以前からのレジャー活動の多様化が背景にあり、家庭用ゲーム機やスマホが普及しオンラインゲームなどの人気が若年層離れの原因ともいわれており、よりマニア化が進んだ結果パチンコ参加人口は2019年の890万人から180万人減の710万人となってしまっています。

特に2018年に施行された遊技機規則の改正による旧規則機の撤去入替は3年間の経過措置(後に1年間延長)があったとはいえ、ホール経営には負担が大きく2020年からのコロナ禍に耐えながらも店舗減少傾向を抑えられなかった原因ともなっているのは明らかです。
しかし、ホール経営業者の倒産件数は2017年(21件)、2018年(26件)、2019年(24件)、2020年(17件)、2021年7月時点(6件)となっており、昨年からのコロナ禍にも関わらず倒産件数は抑えられています。
これは、ホール経営企業の多くは自己資本率が高く固定費率が低い傾向にある財務体質であることと信用保証協会によるセーフティネット保証と政府系金 融機関の支援の対象になったことや2020年の旧規則機撤去期間が1年間延長され設備投資を圧縮できたことが大きく作用していると「帝国データバンク」では分析しています。

パチンコ業界でのM&A

パチンコ経営企業の倒産件数が抑えられているのは、複数の系列店を持つホール企業の不採算店舗の閉店や中小店舗を含めた自主的な廃業、M&Aなどによる買収などが多数の企業で行われたことも一因と考えられ、その傾向はホール経営企業の減少という経過も伴っています。

特にここ数年は業界で慣例化されたようにM&Aが行われ、その件数は2019年に62件2020年には104件、今年2021年11月時点では37の系列企業による99件となっています。
M&A買収する側の系列企業の本社所在地は東京都が多くなっていますが、単独系列企業でM&A店舗件数が多いのは「アンダーツリー(キコーナ)/大阪本社):14店舗」、「アミューズ/大阪本社:9店舗」、「セントラルグループ/岡山本社:5店舗」など西高東低の傾向にあります。
またM&Aされた店舗の都道府県所在地では東京の35件、静岡県12件、神奈川県10件の順で、こちらでは東低西高となっています。
2022年1月に大半の旧規則機が撤去期限を迎えるタイミングではさらに廃業店舗やM&A店舗が増える可能性もあります。

新規則機導入、旧規則機撤去の状況

旧規則機、未だ100万台が残存、特にパチスロの入替が足踏み
投稿日:2021年11月5日

全日遊連は11月4日、10月末時点の「新規則機『設置比率』の進捗計画」及び「県別 新規則機 設置比率(都道府県順)」を各都府県方面遊協宛てに通知した。
資料によると、全国ホールにおける10月末時点の新規則機の設置比率は、パチンコ82.1%(194.3万台)、パチスロ62.6%(95.4万台)、合算74.4%(289.7万台)。同月末の目標値である85.0%から乖離した状況が続いた。
県別で見ると、新規則機の設置比率が最も高い地域は、パチンコ、パチスロとも群馬県(パチンコ87.5%、パチスロ71.6%、合算81.3%)。一方、新規則機の設置比率が最も低い地域は、パチンコが奈良県の78.3%、パチスロおよび合算が沖縄県(パチスロ35.3%、合算55.1%)となっている。
10月末時点で全国ホールに残存する旧規則機は100万台弱(パチンコ42.3万台、パチスロ57.0万台=合計99.3万台)となっている。新規則機の設置比率の目標値は11月末時点が90%、12月末時点が95.0%、1月末時点が100%。旧規則機は一部の例外機種を除き、残り3ヵ月で撤去を完遂させなければならない。

※グリーンベルトWEBより
※遊技通信WEBより引用

単純計算では来年1月までの3カ月で完全に旧規則機を新規則機に入れ替えるには、パチンコは毎月14万台、パチスロは19万台の入替が必要となります。
旧規則機約100万台、全国ホール件数約8000件として計算すると1件当り125台で1か月に40台超、新台1台40万円として約1600万円と非常に大きな負担となり、この数字を見ても旧規則機を全部新台で補うのは非常に厳しく現実的ではありません。

旧規則機の撤去が集中する12月、1月の新台リリースを見てみると、これまでパチンコは「P大工の源さん超韋駄天」スペックが主流となり稼働、収益状況ともに安定傾向にあり、12月には「P北斗の拳9」、「Pエヴァンゲリオン15」など12機種1月は「P牙狼」、「P真・花の慶次3」、「P真・北斗無双」など10機種が販売される予定です。
パチスロは6号機の保通協の適合率が低く販売される機種数が少ない上に、ようやく検定を通過して販売された機種の稼働、収益状況も芳しくない状況が続きましたが、ようやく6.2号機が導入され始め、12月には「SマイジャグラーⅤ」、「S 沖ドキDUO」など」12機種1月には「Sディスクアップ2」、「Sハナハナホウオウ」、「S押忍!番長ZERO」など15機種の販売が予定されています。
12月と1月の2か月間でパチンコ、パチスロともに約20万台、合計40万台の販売予定台数となっています。
12月、1月のパチスロ販売機種では30Φが5機種ありますが、「Sチバリヨ-30」などの30Φ人気機種は客層、地域によっても偏りが大きく、さらに25Φしか設置していないホールでは設備の変更が必要となり、より費用負担が大きくなってしまいます。
すでに設置され始めている有利区間の自主規制が緩和された6.2号機の評価が機種によって分かれるところもあり、全台の入替は厳しいとの見方が強くなっています。
さらに世界的な半導体不足や部品不足による遊技機の販売延期や中止もあり、今後の販売計画にも不安があります。

旧規則機撤去対策

旧規則機の撤去対策として、一部の大手系列基幹店舗では「パチスロからパチンコへの変更工事」「30Φパチスロへの変更工事」などが計画されています。
法令で定められた措置である以上、中小規模のホールにおいても中古製品などで同様の変更工事を計画されているところもありますが、どうしても大手系列店舗の後追いの形となってしまい中古製品や部品の確保に苦慮されているようです。さらに資金的に余力のない店舗では最終の期限までに撤去箇所のベニヤ対応などを迫られています。
さらに11月19日の最新のニュースでは「全日遊連・阿部理事長、旧規則機の設置期限延期の可能性を否定」という念押し的な会見が報じられており、旧規則機の撤去期限はいよいよ「待ったなし」の状況です。

現在、中古市場は旧規則機撤去期限を控えて予想を上回る勢いで急激に活性化し中古製品・部品は枯渇状態となっており、一部の新しい製品においても遊技機と同様に半導体や部品の供給が不足している状態です。
このような状況で弊社に中古製品などのお問い合わせをいただいたとしても、ご要望通りにお応えできかねることも多々あるかもしれませんが、違うアプローチでのご提案で補完できることもあります。
実際にご依頼いただいた1月の工事案件では、全国ネットワークを駆使してかき集めた様々な部品などを流用、転用、修理対応で準備完了できた実績もあります。同業者が手に負えない修理の依頼にも対応しました。
これまで積み重ねてきた修理技術と実績がございますので導入後のアフターフォローも安心してお任せいただけます。ご相談、お問い合わせお待ちしております。

    コメント

    1. […] パチンコホール店舗数と旧規則機撤去状況(2021年11月現在)の中でも報告しましたが、ここではさらにパチンコ店舗数においての閉店状況とリニューアル・新規店舗数を考察してみたいと思います。 […]

    2. […] 前回、【パチンコホール店舗数と旧規則機撤去状況(2021年11月現在)】の記事の中で10月末時点での旧規則機は100万台弱(パチンコ42.3万台、パチスロ57.0万台=合計99.3万台)と報告しました。翌月の11月末時点には88.0台(パチンコ36.0万台、パチスロ52.0万台)と推移していました。 […]

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