「管理遊技機(スマートパチンコ)」と「メダルレス遊技機」-①

統計・コラム

どうも「BOSS」です。

遊技業界で最も注目されている「管理遊技機」「メダルレス遊技機」について進捗状況と導入時におけるホール設備などの対応を考察してみました。

※2021年9月20日時点での状況です。

「管理遊技機(スマートパチンコ)」

今年の7月6日「日本遊技機工業組合(日工組)」の榎本善紀理事長(京楽産業・代表取締役社長)への合同インタビューの中で「管理遊技機」の名称を「スマートパチンコ」とすると発表がありました。

導入時期に関しては、2022年4月に向けて順次調整中とされており、未だハード・ソフト面でのメーカー間での調整が必要なことが窺われます。

ゲーム製・スペックに関しては「現行規則内で+αのゲーム性を広げていきたい。」との意向を示され、コスト価格面では「2024年の新紙幣の出るタイミングで対応するための投資ではなくビジネスチャンスが広がるような状況にできるように知恵を絞っている。」とのいずれも具体的とはいえない努力目標のような内容しか示されていません。

元々、不正防止のための「封入式パチンコ」構想から始まり「管理遊技機」として当初の市場投入予定から2~3年遅れています。

この背景には遊技機規則の改正における警察との折衝の厳しさや遊技機メーカー、玉貸機(カードユニット)メーカー同士での共有部材や機能スペック面での調整の難しさがあり、これに加えて「のめり込み防止」による旧規則機の撤去問題や新型コロナ感染などの課題などが割り込んできたことが、より遅れを生じさせた原因になったと思われます。

今後、メーカー間の大幅な歩み寄りがない限り状況の改善は望めず、市場への導入はさらに遅れる可能性もあります。

「メダルレス遊技機」(スロット)

今年の6月11日に「日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)」の総会が行われ、その後の会見で「メダルレス遊技機」の進捗について説明がありました。

筐体の開発が先行しているメーカーにより開発が遅れている組合員メーカーに対してのプレゼンによる情報共有がなされている状況で、市場への導入時期としては2022年春に向けて努力しているとのことです。

また、メダルレス遊技機の今後の展望として、出玉情報、店舗情報等を日電協が管理する遊技機情報センタに接続し不正改造などを防止する計画とのことです。

なお、保通協への10月1日申請よりこの「メダルレス遊技機」の試験が開始されるとのニュースも報じられています。

「メダルレス遊技機」は筐体の開発においてメーカー間で情報を共有されており具体的に進捗していることが窺え、「スマートパチンコ」よりは導入時期が早いと予想されます。

導入時のホール環境

導入当初の現行スロットと混在していく状況で懸念されるのは、「玉/メダル貸機(カードユニット)」 の継続使用が可能か買い替えが必要なのかどうかです。

現状では遊技機自体の具体的な構造やシステムが不明ですので、あくまでも予想の範囲ですが初回導入時はカードユニットと遊技機は一体として新規購入の可能性が高いかもしれません。
(現行カードユニットは使用不可)

「スマートパチンコ」では現状のカードユニットはCR機の導入時からすでに遊技機と一体化して接続されており貸玉信号が遊技機に送られて遊技機の「貸玉ボタン」を押すことで貸玉が払い出されます。
この貸玉機能としては「スマートパチンコ」でも大きく変わりませんが、各台計数と貯玉での機能ではインターフェースと計数部および払出部(ノズル)のハード面の変更(改造)を要し、新たにカードユニットを購入するのと変わらないコストになるかもしれず、結果カードユニットも買い替えとなるかもしれません。

「メダルレス遊技機」ではパチンコのようにCR化されていませんので、カードユニットからの払出信号を送るインターフェースの追加とメダル払出用のホッパーやノズルが不要となることから現行カードユニットでは大幅な変更を要しますので現実的に改造では対応できずカードユニットも新規購入となりそうです。

将来的に「スマートパチンコ」「メダルレス遊技機」の導入が進むことで、共通しているメリットは遊技するための「玉・メダル」が不要となりそれを補給・回収・洗浄・計数する設備も不要となることです。これらの周辺設備の簡略化によって、メンテナンスやトラブル対応も無くなりスタッフの労力省力化、人員削減から無人化まで可能なイメージが拡がります。
さらに遊技機情報を一元管理することでの不正防止や遊技機回収システムが整えば、セキュリティ面での省力化や業界での健全化が図ることができます。

ここは「スマートパチンコ」「メダルレス遊技機」ともに具体的なコスト面(ランニングも含めて)が示されていませんので何とも言えないですが、イニシャルコストが高価であっても、筐体がメーカー間共有できるなどでその後の入替時のコスト軽減が可能であればホールにも歓迎されるかもしれません。

導入までの準備

準備といっても現状では具体的な情報が不足してますのでホール側では遊技機メーカーやカード会社からの情報をこまめにチェックしていくしかありません。

現実的には目の前のコロナ禍を乗り切ること、旧規則機の撤去を計画的に完遂すること、今年11月の「新500円硬貨」発行2024年の新札発行に備えることに傾注せざるを得ない状況だと思います。
また大手系列店などで既に着手している、パチンコ増台、スロット減台なども今後のスロット6.2号機の動向によってはさらに検討する必要があるかもしれません。

弊社では、直近の11月「新500円硬貨」、2024年の「新札発行」に備えての設備機器の識別対応でのご相談を承っております。

また、「スマートパチンコ」、「メダルレス遊技機」の情報については一部私見での予測もあり、今後も都度更新していきますので時折弊社HPを覗いてみてください。

    コメント

    1. […] 前回9月20日のタイトル記事「管理遊技機(スマートパチンコ)」と「メダルレス遊技機」の中で進捗状況をお伝えしましたが、今回は“こうなる…!?かもしれない”追加情報になります。情報は信憑性の高いレベルを心がけていますが、確定していない要素を含んでおり計画目標として掲げられているところもありますので、あくまでも“かもしれない”視点となっていますのでご了承ください。 […]

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