どうも、「BOSS」です。 ここでは、「パチンコ玉貸機」の変遷と今後について説明します。
「パチンコ玉貸機」の歴史
1960年代の頃のパチンコ店の「玉貸機」は手動玉貸機が景品カウンターの上に設置されてい
ました。1970年には手動から100円対応の自動玉貸機となり、1972年になると遊技台の真横
に設置する100円硬貨対応の玉貸機(商品名/サンドイッチ)が「株式会社エース電研」に
より開発されました。
この「サンドイッチ」と同様の製品は同業他社からも販売され、遊技客の利便性とホールに
とっても稼働が向上するという双方に大きなメリットがあることで、ほぼすべてのホールに
導入されていきました。
現在でもこの「サンドイッチ」という商品名から由来する「サンド」という通称は業界内
だけでなく遊技客にも定着し、大手パチンコチェーン店のサイトの遊技説明にも使用されて
います。
この玉貸機「サンド」は当初、硬貨(100円・500円)対応でしたが後に千円紙幣対応も登場
し投じた金額分の貸玉が払い出されました。(エース電研:商品名/キングサンド)
その後1992年の遊技機の規則改正により大きな変革期を迎えることとなり、CR機となった
遊技台と玉貸機は接続された一体の設備と定められました。
以降、遊技客が事前に購入したプリペイドカードを玉貸機「サンド」に挿入し遊技台の「玉貸
ボタン」を押して貸玉が払い出されカード残高が表示され精算機で残高を精算できるシステム
となり、玉貸機設備は「カードユニット」や「カードサンド」などと呼称されました。
その後プリペイドカード方式から直接現金投入が可能な仕様となり500円硬貨、千円紙幣投入
型から現在では4金種紙幣対応型「カードユニット」が主流となっています。
「パチンコ玉貸機」の設置状況
「カードユニット」の事業会社としては「日本ゲームカード株式会社」、「グローリーナスカ
株式会社」、「株式会社マースエンジニアリング」、「ダイコク電機株式会社」、「認証協
/iクリアシステム:9社」等があります。
パチンコ店はこれらのカード事業会社と契約、設備を導入しカード事業会社によって貸玉や
貯玉の管理などが行われています。
主要なパチンコ店では大半が4金種対応の「カードユニット」が設置されていますが、一部の
パチンコ店や低貸コーナーでは旧世代の現金玉貸機が設置されています。
これは、パチンコ台を動作させるため「カードユニット」を接続した状態にし、さらにその横に
「現金玉貸機」を設置し貸玉を行う状態となります。(ダブルサンドとも呼ばれていました。)
CR機と「カードユニット」への移行期には、それまで設置されていた「現金玉貸機」を有効
利用するなどの目的で行う「ダブルサンド」は当時珍しくないことでしたが、高額紙幣の利用
や各台計数機など遊技客の利便性がより求められる状況となり、今ではほとんど見かけることが
無くなりました。
現在は「現金玉貸機」自体が製造販売されておらず、需要も少ないため中古も希少で保守サポー
トもメーカーでは行われていません。
「パチンコ玉貸機」の今後
カードユニット」は貸玉、貯玉管理、さらには会員管理から遊技台データ管理、セキュリティ管
理まで行うシステムへと発展しています。
しかし、現在のパチンコ業界を取り巻く環境では「カードユニット」のキャッシュレス化対応の
議論が進んでおらず、 2024年の新紙幣の発行による「カードユニット」の紙幣識別機の対応が
必要となります。
前述のように「現金玉貸機」はすでに製造販売しておらず保守サポートもなく千円紙幣対応機種
の新紙幣への識別対応は行われません。また、直近では今年2021年11月に「新500円硬貨」が
発行されます。現行の「カードユニット」は硬貨対応している機種がほとんどありませんので
問題ありませんが、「現金玉貸機」は「新500円硬貨」への識別対応はメーカーでは行われません
ので何らかの対策が必要です。
対策といっても選択肢は少なく紙幣対応の「カードユニット」への入替を新規品か中古品で行う
のが最良の方法となりそうです。
弊社では、「現金玉貸機」の「新500円硬貨」対応「コインセレクター」の改造、製造などを検討
いたしましたが、残念ながら対応不可となっております。
硬貨対応のグローリー製「両替機」の「新500円硬貨」識別対応「新コインセレクター」の製造販売、「カードユニット」の中古販売は随時承っておりますのでお問い合わせください。
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